【⑨転院指示】
20w2dの朝の内診で子宮口が1cm開いていることが分かりました。
「お話がありますのでお部屋に戻っていてください」
部屋に戻って先生を待つ間、先生に言われたことについて考えていました。
子宮口が開き始めたということは、もう赤ちゃんが産まれようとしているのか?それに、覗くと赤ちゃんを包む卵膜が見えると言っていた…入院して1週間、言いつけを守って安静にしていた。しかし確かに張りはおさまらなかった。入院時1.6cmあった子宮頸管は、子宮口が開いた今、0cmになってしまったんだろう。子宮頸管長がなくなってしまったら、産まれてしまうと思っていたのだが…今はまだ20週に入ったばかり。22週はまだまだ先だ。まさか…ここでこの子の命は終わってしまうのか?
まだ説明も受けていないのに、とめどなく涙が流れていました。もう何度目の涙か分かりません。
しばらくすると先生がやってきて説明してくれました。
「懸命に治療してきて、○○さんも頑張っていますが、今の病状は良くありません。既に子宮口が開いていてこのまま徐々に開いたり、破水したり、感染症にかかるリスクが高いです。今は20週に入ったばかりですが、このM病院ではNICU(新生児集中治療管理室)がないので37週からの赤ちゃんしか診れません。ここから近い市立の総合病院にはNICUはありますが、28週からしか診れません。ですが県立の総合病院なら、22週で産まれた赤ちゃんも、診れます。市立の総合病院に問い合わせてみましたが、○○さんの病状を考えると県立病院で見てもらった方がいい、と言われました。突然で申し訳ないのですが、明日、県立病院へ転院して頂きます。」
ショックだったのは、市立病院に受け入れ拒否されたこと。それではまるで、現状では、28週までもつ見込みがないということか。さらに、県立病院はかなり遠いのです。自宅からだと、2時間半〜3時間くらい。このM病院や市立病院なら、平日でも仕事終わりに旦那さんがお見舞いに来れたが、県立病院は無理だ。もしかしたら、週末も来れないかもしれない。どこだか分からない所で、旦那さんにも会えず、孤独に戦わなければいけない。
赤ちゃんのことはもちろん、これからの入院生活を思うと、不安で不安でたまりませんでした。そして先生から、さらにとどめの一言。
「これからは、トイレも禁止です。ボーダブルトイレへの移乗も刺激になるかもしれないので。後でおしっこの管を入れます。便は、看護師の介助でベット上でしてもらいます。」
今までポータブルトイレへの移動だけが許された行動範囲だったのに、これで完全にベットから1歩も動けなくなりました。しかもおしっこの管って…
亡くなったおばあちゃんが入院していたとき、この尿道カテーテルをしていました。その時は特に何も言っていませんでしたが、尿道に管を入れるなんて、想像しただけで震えました。
看護師さんがカテーテルを持ってやってきました。ベテランそうな方。どうか、うまくやってくれ…
カチャカチャと準備をして、
「ちょっと、痛いですよー」
…
…ぢぐっっっっ!!!!!!
「いったい!!!」
思わず叫びました。
「あら、ごめんね(+_+)もっとジェルつければよかったかしら」
(TT)(TT)(TT)(TT)
でも、痛いのはここからでした。
寝返りをうつ度にカテーテルが動いて痛い…(TT)角度によっては、逆流してくるような感覚…空気も逆流してくるようで、膀胱の中がポコポコいう…常におしっこしたい感覚があるのにできない…残尿感…
なるべく寝返りをうたないようにじっと動かずにいました。このまま尿路感染症になってしまう、とまで思っていました。寝返りもまともにできないなんて、いったいいつまでこんな生活なのか…
この日は私の誕生日。こんなに悲しくて不安で、痛い誕生日は26年生きてきて初めてでした。
日曜日だったので旦那さんが来る予定でした。転院については来てから話そうと、旦那さんのラインに「着いたら話がある」とだけ入れました。
痛みに耐え、計り知れない不安に苛まれながら旦那さんを待ちました。